こんにちは、ミネウォです。
今回は、自動車のカタログや公式ホームページに記載されているWLTCモードについて説明しようと思います。
WLTCモードとは?
WLTCモードというのは、Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycleの略で、「市街地」、「郊外」、「高速道路」といった走行モードで構成された国際的な試験法です。(http://www.mlit.go.jp/common/001177550.pdf)
青色が市街地、赤色が郊外、緑色が高速道路となっている。紫色の破線は130km/hまでという日本の道路事情では一般的ではないので除外されている。
(https://bestcarweb.jp/news/44958)
10 15モードやJC08モードはひとつの値だけを表示していましたが、WLTCモードでは3つの走行状況における燃費を表示するようです。
そもそもJC08モードとは何だったのか?
JC08モードでは、さらに実際の使用状況に近づけるために細かい速度変化で運転するとともに、エンジンが暖まった状態だけでなく、冷えた状態からスタートする測定も加わっています。車両によって異なりますが、一般的にJC08モード燃費の方が10・15 モード燃費より概ね1 割ほど低くなる傾向があります。
(http://qa.jaf.or.jp/mechanism/engine/04.htm)
コールドスタートで測定する条件を加え、市街地でのゴー&ストップの要素があり、より現実的で日常的な走行をして燃費を測定するのですが、JC08モードと実燃費はどうしても誤差が生じます。
ガソリン車だと、高速巡行の割合が多いとJC08モードの燃費より上回ることがあるのですが、
ハイブリッド車はJC08モード並の燃費を実際に記録するのはとても難しいです。
最近は落ち着きましたが、2010年ぐらいの頃、燃費を前面に押し出すCMが多かった気がします。
ミライースが新しく登場した時も
「リッター30㎞、しかも低価格」
というキャッチコピーでした。
そのときと比べたら今は実燃費がよくなってきていて変わってきたと思います。
WLTCモードの表示になって変わったところ
ベストカーWebでは、WLTCモードとJC08モードで条件が変わっていることを述べています。
クルマのエンジンが温まった状態で試験を行うホットスタートがなくなること。JC08モードではホットスタートが75%で、エンジンが冷えた状態からスタートするコールドスタートが25%の比率で燃費を算出していたがWLTCではコールドスタート100%になるのだ。
試験車両の重量の違いについてもJC08モードとWLTCモードは大きく違う。JC08モード燃費では2名乗車による+110kgであったのに対して、WLTCモードでは1名乗車+荷物相当の100kgに、そのクルマの積載可能重量の15%+して審査を行う。そのため、WLTCモードのほうが重量の重い状態で試験をすることになる。
(https://bestcarweb.jp/news/44958)
コールドスタートかつ、重量の増加はより実燃費に近づきそうですね!
WLTCモードの表示になって、その車種がどの走行状況のときに燃費が良いのかが分かりやすくなったと思います。
2018年10月以降に発売された新型車のWLTCモードの燃費を見ながら、市街地、郊外、高速の3つの燃費を比べてみましょう。
ホンダ インサイトLX (SPORT HYBRID i-MMD)
SPORT HYBRID i-MMDについての説明はこちらから↓
ホンダインサイトはJC08モードが34.2km/Lに対して以下のようになりました。
WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
28.4km/L | 25.8km/L | 29.7km/L | 28.8km/L |
郊外モードが一番いい燃費で市街地モードが一番悪い数値となっています。SPORT HYBRID i-MMDは、市街地から高速巡行まであらゆる走行状況において、常に最適なパワートレインの選択をするハイブリッドシステムです。
ハイブリッドはゴー&ストップが多い状況でいい燃費が出るイメージがありましたが、意外でした。
他のメーカーのハイブリッドはどのような数値になったのでしょうか。
カローラスポーツ HYBRID G’Z (THS Ⅱ)
トヨタカローラスポーツはJC08モードで30.0km/Lでした。
WLTCモードでは以下のようになります。
WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
25.6km/L | 24.9km/L | 27.2km/L | 25.0km/L |
市街地モードはあまりいい燃費が出ないですね。こちらも郊外モードが一番いい燃費となりました。インサイトとは異なり、高速道路モードは市街地モードとほぼ同じ値でした。
CX-8 XD (2WD) (クリーンディーゼル)
CX-8 XD 2WDのJC08モードは17.6km/Lでした。(Goo カタログより)
WLTCモードでは以下のようになっています。
WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
15.8km/L | 12.7km/L | 15.7km/L | 18.0km/L |
高速道路モードが一番燃費がいいようです。クリーンディーゼル車の例としてCX-8 XDを挙げました。
市街地モードと比べるとかなり伸びがいいですね!
クラウン 2.0 ターボ (ガソリンターボ)
クラウンのガソリンターボのJC08モードは12.8km/Lです。
WLTCモードは以下のようになりました。
WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
12.4km/L | 8.7km/L | 12.6km/L | 15.1km/L |
市街地モードは10km/Lを切っています。WLTCモードとJC08モードを比較するとあまり数値が変わっていません。
こちらも市街地モードと高速道路モードの差がとても大きいです。
まとめ
WLTCモードについて調べていくと「燃費がいい」とはどういうことなのか考えさせられるテーマでした。
市街地、郊外、高速道路のうち、自分はどの速度域で走ることが多いのかを考えて車を選ぶのもいいかもしれませんね!
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